【映画の話】片思い世界【ネタバレあり】

今回の映画はこちら!!

【片思い世界】

 

 

出演:広瀬すず、杉咲花、清原果耶、横浜流星、小野花梨、伊島空、

moonriders、田口トモロヲ、西田尚美ほか

 

ジャンル:ヒューマン

公開: 2025

監督:土井裕泰

脚本:坂元裕二

 

 

以下ネタバレあり

 

 

【ざっくりストーリー】

家族でも同級生でもない女性3人の不思議な日常

 

 

【感想】

会社員の美咲、大学生の優花、水族館飼育員のさくら。

シェアハウスで暮らしている家族ではない3人。

序盤から「ん?」と思うこと小さな違和感がありますが、その正体は早めにネタバレされます。

 

アピールしても開けてくれないバス

緊急事態を叫んでも止まってくれない通行人

ステージに乱入したコンサート。

どんな大胆な行動をしても、世界には3人の声は届かない、姿も見えていない。

 

3人は幼い頃に事件に巻き込まれて命を落とし、幽霊として成長し大人になっていました。

 

朝起きて歯を磨く、仕事や学校に行く、ごはんを食べる、おしゃべりをする、同じ寝室で眠る。

当たらない天気予報が流れるラジオを聞きながら、幽霊として日常を送っています。

それぞれの何気ない日常と、他の人には見えていないという描写に寂しさが見えます。

 

ラジオから生き返ることが出来る(元の世界に戻れる)かもしれないという

メッセージが届き物語が動き出します。

 

条件は「生きている人と心を通わせて想いを届ける」こと

 

優花は母親に。

さくらは自分たちを殺した犯人に。

美咲は、あの日の後悔を胸に生きている、初恋の典真に。

 

声も聞こえない、姿も見えない、一方通行のコミュニケーション=片思い。

 

再婚もして子どももいる母へ 寂しさと嫉妬を。

犯人へ「自分たちは、なぜ死ななければならなかったのか。」という怒りと悲しみを。

 

聞きたいこと、伝えたいこと、自分の想いが伝わらない=片思い。

 

優花の母と犯人が衝突したことにより、優花の母と心が通じ合ったと思った3人は、

約束の灯台へ向かいますが、結局生き返ることはなく笑い合います。

派手な落胆や悲しみでなく、笑い合える、というところが3人の強さなのかもしれません。

 

美咲の片思い相手は、かつて3人と同じ合唱団でピアノを弾いていた典真。

自分のせいで美咲が事件に巻き込まれたと思いピアノを辞めて前に進めずに生きていました。

典真は優しすぎますね。

 

事件の日、美咲が書いていた音楽劇の脚本を見つけ読み始めます。

物語のラスト、二人が共鳴して美咲がいるかのように空中を抱きしめる典真に

見ている方も胸が苦しくなります。

 

前を向こうと決意した典真がピアノを弾き、合唱団が静かに高らかに歌いあげます。

誰にも見えていない3人も一緒に。

ここで事件当日から大人になるまでの断片が流れるのですが、

パンを分けあうところ、家を見つけるところなど、言葉はなくとも泣けるシーンです。

 

家に新しい買い手が付いたことにより引っ越しをする3人。

次はどこに行こうかと笑い合う。

世界のどこかで3人はまだ幽霊として、笑いながら生きているのかもしれません。

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