【映画の話】片思い世界【ネタバレあり】
今回の映画はこちら!!
【片思い世界】
出演:広瀬すず、杉咲花、清原果耶、横浜流星、小野花梨、伊島空、
moonriders、田口トモロヲ、西田尚美ほか
以下ネタバレあり
【ざっくりストーリー】
シェハウスで暮らす、家族でも同級生でもない女性3人の不思議な日常
【感想】
会社員の美咲、大学生の優花、水族館飼育員のさくら。
序盤から「ん?」と思うこと小さな違和感がありますが、
その正体は早めにネタバレされます。
アピールしても開けてくれないバス
緊急事態を叫んでも止まってくれない通行人
ステージに乱入したコンサート
どんな大胆な行動をしても、世界には3人の声は届かない、姿も見えていない。
3人は幼い頃に事件に巻き込まれて命を落とし、
幽霊として成長し大人になっていました。
朝起きて歯を磨く、仕事や学校に行く、
ごはんを食べる、おしゃべりをする同じ部屋で眠る。
当たらない天気予報が流れるラジオを聞きながら、
幽霊として日常を送っています。
それぞれの何気ない日常と、
他の人には見えていないという描写に寂しさが見えます。
ラジオから「生きている人と心を通わせて想いを届ける」ことで
生き返ることが出来る(元の世界に戻れる)かもしれないという
メッセージが届き、物語が動き出します。
優花は母親に。
さくらは自分たちを殺した犯人に。
美咲は、あの日の後悔を胸に生きている、初恋の典真に。
声も聞こえない、姿も見えない、
一方通行のコミュニケーション=片思い。
再婚もして子どももいる母へ 寂しさと嫉妬を。
犯人へ「自分たちは、なぜ死ななければならなかったのか。」という怒りと悲しみを。
聞きたいこと、伝えたいこと、
自分の想いが伝わらない=片思い。
結局、生き返ることはなく笑い合います。
派手な落胆や悲しみでなく、
笑い合える、というところが3人の強さなのかもしれません。
美咲の片思い相手は、かつて3人と同じ合唱団でピアノを弾いていた典真。
自分のせいで美咲が事件に巻き込まれたと思い
ピアノを辞めて前に進めずに生きていました。
典真は優しすぎますね。
事件の日、美咲が書いていた音楽劇の脚本を見つけ読み始めます。
二人が共鳴して美咲がいるかのように空中を抱きしめる典真に
見ている方も胸が苦しくなります。
前を向こうと決意した典真がピアノを弾き、
合唱団が静かに高らかに歌いあげます。
誰にも見えていない3人も一緒に。
ここで事件当日から大人になるまでの断片が流れるのですが、
パンを分けあうところ、家を見つけるところなど、言葉はなくとも泣けるシーンです。
家に新しい買い手が付いたことにより引っ越しをする3人。
次はどこに行こうかと笑い合う。
世界のどこかで3人はまだ幽霊として、
笑いながら生きているのかもしれません。
ジャンル:ヒューマン
公開: 2025年
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
