今回の映画はこちら!!
【水曜日が消えた】
出演:中村倫也、石橋菜津美、中島歩、休日課長、深川麻衣、きたろう
以下ネタバレあり
【ざっくりストーリー】
曜日ごとに人格が入れ替わる、多重人格の青年の周りで起こる不可解な出来事
【感想】
毎日曜日ごとに人格が入れ替わる主人公。
一番地味な日を過ごす火曜日の人格の目線で描かれています。
なんとも不思議な雰囲気の映画で、劇中で明言されていないことも多く考察が捗ります。
見るたびに新たな謎が生まれるので、何度も見たくなる作品です。
自分の同じ顔と体を持つ「自分ではない自分」
「自分ではない自分が複数いる」という時点でまぁまぁ怖いですが、
他の自分が少しずつ消えていって、次は自分が消える番かもしれないって
考えるとかなり怖いですね。
注意や連絡事項をメモした各曜日の色付箋。
真面目で几帳面でぶつぶつと不満や小言が多い火曜日君の青がダントツで多いのはちょっと笑えましたが
こちらにも小言がずらずら書いてあるんだろうな。
他の曜日たちはそれに腹を立てたり反発しないのは
同じ”僕”として受け入れているからなんでしょうか。
単に気づいていなかったりスルーしてるだけかな。
日を追うごとに他の色の付箋が少なくなっていって、ちょっとゾクッとしました。
その色の付箋を貼る人がいない=その人格は消えているということですからね。
(火曜日は地味で退屈でつまらない曜日だから誰か変わってほしいといっていましたが、
おそらく火曜日君はどの曜日に行っても同じようにぶつぶつ小言を言っている気がします。)
終盤の、月曜日君VS火曜日君の深夜の直接対決、すごかったですね。
深夜の工事現場で自分を縛りながらスマホ片手に喚いて、
数分毎に意識を失って違う口調になって、傍から見たらかなりヤベェ奴です。
月曜日君は火曜日君とは意見が違いますが、月曜日君の言い分も尤もです。
一度寝たら一週間分の夜が来るとか、1年が52日しかないとか
自分の時間を満足に使えない、好きなことも思う存分できない。
「明日も自分でいたい」という普通の人なら当たり前に持っていることが
月曜日君にとっては欲しくてしょうがないものでしょうね。
たとえ、他の自分が消えたとしても。
火曜日君が水曜日に図書館に入って感動していたのと同じくらい、
月曜日君も他の曜日を生きて(他の曜日に友達もできて)凄い嬉しかったんでしょうね。
最終的に“僕たち”がハッピーエンドを選べてよかったです。
先生の話や病気の話、各曜日の日常、一之瀬と瑞野と“僕”の恋愛・・・。
もっと深く掘り下げてほしかったですが、描かれなかったところも考察として楽しむことにします。
個人的に気になったのは、“僕”の身体。
月曜日君は酒&たばこの荒れた習慣、火曜日君はミロ&フレンチトーストの甘党、
金~木はインドア趣味、日曜日君は釣り。
一週間のほとんどがあまり動いていないのにぽっちゃり体型でないのは、
スポーツマンの水曜日君が相当激しい運動をしているからではないでしょうか。
(火曜日君の壁打ち卓球はスポーツというより義務で体動かしているだけだし。)
あと、月曜日君はあのおっさんバンドで本気で女装するつもりだったのでしょうか。
そこが一番の謎です。
ジャンル:ヒューマン・サスペンス
公開: 2020年
監督:吉野耕平
脚本:吉野耕平